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「ちゃんとしなきゃ」から解放されて自分らしく成長する教師になる方法

吉田 誠/著


読者対象:小学校教員・中学校教員

出版年月:

ページ数:272

「ちゃんとしなきゃ…」「もっとがんばらないと…」
その声はどこから来てあなたを苦しめるのか?

本書の概要

心の中で、「ちゃんとしなきゃ」「こんなんじゃだめ」と自分を責める声が聞こえる。 それは、過去の経験から「こうすべき」と学んだことが、気付かないうちにあなたを苦しめているのかもしれません。
本書では、「自我発達段階論」をもとに教師としての現在地を確認し、本当にめざしたかった「教師像」「自分像」と出会いなおす方法をお伝えします。

本書からわかること

心の声が成長や適切な指導を妨げる

日常で、無意識に自分を責めたり追い立てたりする声が聞こえてくることがありませんか? こうした声は、成長を促すこともありますが、対象への恐怖心や焦りをあおったり、そのせいで不適切な指導を行ってしまったりするなど、成長のブレーキとなることがあります。
こうした無意識の恐怖や不安から解放されるには、心の声を自覚し、なぜそのように感じるのかを掘り下げ、教師となった目的や原体験とつながりなおす必要があります。

現在地を知り、教師としての自分らしさを取り戻す

「自我発達段階論」とは、クックグロイターによって提唱されるあたらしい発達段階論です。この指標に、次の問いにもつ答えを照らし合わせて、教師としての現在地や成長のブレーキとなっているものを見つけていきます。
・どんな教師になりたいのか?
・どんな子どもに育てたいのか?
・なぜ教師になりたいのか? 何のために教師をしているのか?

子どもの成長と同様に、教師の成長にも終わりはないと著者は考えます。 そして、自分らしく成長する子どもを育てるためには、教師が自分らしく成長する必要があります。
あなたらしい教室、学校をつくっていくために、ぜひ本書で本当にめざしたい教師像を考えてみませんか。

こんなときにおすすめ

・「ちゃんとしなきゃ」と思ってしまうことが多いとき
・誰かの理想像を追うのはやめたいけれど、どうしていいかわからないとき
・教師をつづける理由がわからなくなったとき

目次
はじめに 1

第1章 学校で拡大再生産されるチャッターがもたらす問題 11
チャッターとは? 12
チャッターがもたらす問題 16
自我発達段階とチャッター 23
チャッターの拡大再生産を防ぐために 38
教師が学び続ける内容の質的変容 44
column01 教育的愛情とマルトリートメント 48

第2章 生涯学び続ける教師になるために:発達段階のパラダイムシフトを知る 51
従来の発達段階論に潜む支配被支配の構造:ピラミッド構造とホラーキー構造 52
年齢とともに発達段階が進むとは限らない:発達段階の逆転現象と社会組織の発達段階 63
発達段階の進んだ人が支配するとは限らない:基底段階の生命力と後発段階の包容力 74
発達段階が進めば人間関係の問題は解決するか?:分化の段階の逆転現象 79
発達に終わりはあるか?:発達の「終わり」は病理現象 82
発達段階を後の段階に進むことと同時に現在の段階を十全に生きることの大切さ 84
column02 社会の発達段階と教師に求められる資質・能力の変遷 86

第3章 どんな教師になりたいのか?:自分の発達段階の重心と陥りやすい課題を意識する 89
こだわりと大切にしたいことを切り離す 90
例①専門的な力量の高い教師になりたい(自己防衛段階):コントロール欲求の課題 92
例②決まった内容をきちんと教えられる教師になりたい(規則志向的段階・順応的段階):型にはめたい課題 97
例➂授業がうまい教師になりたい(自意識的段階):考え方や方法にこだわる課題 104
例④子どもに寄り添う教師になりたい(良心的段階):子どもを理想化しようとする課題 112
例⑤子どもの個性を尊重したい(個人主義的段階):表面と本質を同列に捉える課題 118
例⑥子どもの課題に向き合わせたい(自律的段階):今を楽しめない課題 124
column03 自我発達段階とマインドセット 131

第4章 どんな子どもに育てたいのか?:子どもの将来の発達を妨げるチャッター/チャッターを超えて発達を促すための視点 135
指導へのこだわりの背景にあるチャッターに気づく 136
例①言われたことをきちんとできる(自己防衛的段階・規則志向的段階):「きちんとしなければいけない」/言われたことのよさや理由をともに考える 140
例②協調性がある(順応的段階):「周囲の期待に応えなければ」「わがままではないか」/自他の違いを踏まえた上で相手の気持ちや状況を受けとめる 147
例➂自己主張ができる(自意識的段階):「どうせわかってもらえない」「自分は正しくて相手は間違っている」/他者から理解してもらえるよう自分の考えや意見をわかりやすく伝える 154
例④主体的に学ぶ(良心的段階):「自信がない」「自分にはできない」/常識や当たり前に疑問をもちながら学ぶ 160
例⑤人の話を否定せずに聴ける(個人主義的段階):「意見や考えに優劣をつけてはならない」/他者の言動をその人の文脈から理解する 166
例⑥探究しながら成長する(自律的段階):これまでのやり方は通用しない」/探究する枠組みの相補性から自分の探究を意義づける 172
column04 主体的・対話的で深い学びを妨げるチャッター 179

第5章 なぜ教師になりたいのか?・何のために教師をしているのか?:チャッター/魂の声 183
魂の声に従って志を育てる 184
例①自分の得意な教科の能力を生かしたい(自己防衛的段階):「自分の力を認めさせなければ」/「自分の力を発揮したい」 189
例②憧れの先生のようになりたい(規則志向的段階・順応的段階):「憧れの先生のやり方を真似なければ」/「自分の中の憧れる要素=素質を輝かせたい」 195
例➂自分のやり方を伝え広げたい(自意識的段階):「自分のやり方こそが正しい」/「自分のやり方を適材適所で役に立ててほしい」 201
例④子どもをよりよく育てたい(良心的段階):「自分の理想通りに育てなければ」/「子どもたち一人ひとりが幸せになるための手助けをしたい」 207
例⑤子どもが個性を発揮できるように育てたい(個人主義的段階):「子どもの個性を伸ばさなければ」/「子ども自身がやりたいことを見つける手助けをしたい」 214
例⑥子どもが自ら探究し続けるように育てたい(自律的段階):「子どもが成長し続けるよう働きかけなければ」/「子どもの成長・発達につながる環境づくりをしたい」 220
column05 成長のアクセルにも発達のブレーキにもなるチャッター 228

第6章 包容力のある教師になるために:教師も子どもたちも自分らしく生きられる学級・学校づくりに向けて 231
新しい発達論の視点からこれからの教育を考える 232
教師としての理想や目標の再設定 241
チャッターを克服して教師も子どもたちも自分らしく生きられる学校づくりに向かうために 262

おわりに 268
参考文献 270
著者プロフィール
吉田 誠(よしだ・まこと)
博士(教育学)。道徳教育学を専門とする教育学者。ホワイトボード・ミーティング®認定講師。自我発達段階論に基づく道徳性発達研究の成果を活かし、教員研修や道徳科の授業づくりの助言指導を行っている。また、大学の「教職論」の授業でファシリテーション技法を用いて教師を目指す学生の成長を支援している。