はじめての理科専科
読者対象:
出版年月:
ページ数:164
「理科専科」なのに、実は理科が苦手…そんな先生におすすめ!
本書の概要
理科は他教科に比べて専科率が高い教科ですが、教科担任制の導入に伴い、その比率は年々増えてきています。理科専科は「理科が得意な先生」ばかりなのでしょうか? 答えはNO!理科専科の先生の多くが、様々な事情によって「理科が苦手なのに理科を教えている先生」なのです。そんな先生方に贈る理科専科のコツ、授業に役立つテクニックやよくあるお悩みの解決策、おすすめアプリや理科ネタなどをたっぷり盛り込んだ一冊。理科専科でなくても、理科が苦手なすべての先生に役立つ情報が満載です。
本書からわかること
理科専科が気を付けるべきポイントとは?
本書では、理科専科になったら絶対に押さえておきたいポイントや、自然条件や内容に応じた一年間の単元計画の立て方、授業を円滑に進めるためのテクニックを紹介しています。
理科は自然を相手としているため、季節などの影響を大きく受けます。専科は特に、簡単に予定を入れ替えることができないので、あらかじめ時間割を計画的に組んだり、一年間の見通しを立てておいたりすることが大切です。担任と連携を図りながら、あえて理科専科が主導権を握って動くことも必要です。また、消耗品を計画的に発注する必要もあるので、理科室や準備室経営も理科専科の重要な役割です。
理科授業のよくあるお悩みはこうやって乗り越えよう!
理科では、実験で陥りやすい失敗やよくあるお悩みというものがあります。例えば、「天気に左右される単元はどうする?」「校庭の土と砂場の砂に違いがない!?」「インゲンマメが育たない!」「線香の煙の動きが分かりづらい!」など、本書では28のQ&Aを取り上げています。これは理科専科に限らず、多くの先生にとって役立つこと間違いなしの情報です。
さらに、実験動画を24本アップしているので、二次元コードからぜひご覧ください。
「問題解決」をいざ実践してみると……
小学校理科の根幹とも言える「問題解決」ですが、いざ実践してみると見えてくる悩みもあります。当然ながら、教師の想定外の発言も出てくるので、子どもの思考を尊重しながら学びの充実を図るためには、時には子どもに委ね、時には教師が提示するというような軽重を付けた授業デザインが求められます。本書では、その見極めのポイントも紹介しています。これも理科専科に限らず、理科授業を行うすべての先生に必見の内容と言えるでしょう。
専科だからこそできること
専科になった先生の中には、担任をもたないことを寂しく感じている方もいるかもしれません。本書の著者であるちゃき先生(@mogurin_rika)こと大﨑先生も、理科専科を言い渡された際にはショックを受けたと語っています。小学校では「担任」という存在がやはり大きいと言えるでしょう。実際、担任が担っている仕事は多岐にわたり、やりがいも大きいですが、すべてを請け負うのはもはや限界がきていると言えます。
専科の役割は、まずは授業をきちんと成立させること、さらに担任やほかの教員を支える存在になることです。専科だからこそのやりがいやメリットがたくさんあります。