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GIGAスクールを成功させる教師の言葉かけ

西川純/編著


読者対象:小学校教員

出版年月:

ページ数:144

GIGAに対応するための子どもを動かす23の言葉かけ+クラスがまとまる9つの実践例 ICTを活かして、最高の『学び合い』を実現しよう! 西川純 GIGAスクールを成功させる教師の言葉かけ

GIGAスクールで1人1台端末を導入したものの、なかなか子どもに任せられずにうまくいかないことが多いかもしれません。本書はそんな不安を吹き飛ばす、「子どもを動かす」言葉かけの本です。ICTを活かして、最高の『学び合い』を実現させましょう!




真の個別最適な学びを実現するために


『学び合い』でお馴染みの西川純先生の最新刊は、話題のGIGAスクールを取り上げています。行政が何かを打ち出すと、教育の世界は「どうやればいいの?」とノウハウ(Know-how)を最初に問います。これは最近ではアクティブ・ラーニングのときと同じです。そしてGIGAスクール構想の場合も同じです。1人1台の言葉だけが先行して、どう使えばいいのかばかりを気にしています。世の中には数多くのGIGA本があり、それらは手軽に誰でもできるノウハウを紹介しています。しかし、それでいいのでしょうか。
本当はノウハウではなく、Know-whyを理解すべきではないでしょうか。そもそもなぜ、GIGAスクール構想が生まれたのかを理解しなければ、そのノウハウが正しいか間違っているかを判断することはできません。
真の公正に個別最適化した学習を子どもに任せた場合、基礎的・基本的学力を保障できない子はいます。いや、その子の方が多いと思います。しかし、宿題を課さない方が基礎的・基本的学力を保障できる子もいます。宿題でがんじがらめにせずとも、いや、任せた方が学力の伸びる子はいます。要は、クラスが有機的な集団になり、公正な学習を保障するために機器を使用するか否か、どのようなことを、どのような順序で、どのようなスピードで進めればいいかをわかる子と、すべての子どもがつながり学べるようになればいいのはないでしょうか。


教師と子どもたちのイラスト

子どもが動き出す言葉かけを!


本書は、そのようなことを実現するためにどうしたらいいかを書いています。1人1台の端末がある教室で子どもに任せた場合、どのような問題が起こるかを調査し、そのような不安一つひとつに応えています。そして、それぞれが起こる原因を明らかにして、どのような対策をすればいいかを「言葉かけ」という体裁と実践例を用いて書いています。
例えば、教師自身がタブレット端末の使い方がわからないときはどうすればいいでしょうか。そんなときは、素直に子どもたちを巻き込んでお互いに教え合うように語ればいいのです。もちろん、使い方がわからなかったりする子もいるでしょう。でも、学習の課題に立ち返り、全員で使い方を学んでいくことを意識させ、子ども同士で交流させればきっと問題は解決できます。


言葉かけ1 教師自身がタブレット端末の使い方がわからないとき 皆さんなら、私(教師)より、上手に使いこなすことができそうですね。コロナ禍により、GIGAスクール構想が前倒しになりました。タブレットを見て、会えなくなってしまった子どもたちをつなぐオンライン授業に希望を見出した方もいれば、<br>どのように使ったらよいのか不安に思った方、あまり関心がなかった方、これをきっかけに試行錯誤された方などがいたのではないかと思います。GIGAスクール構想の目的は、「多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するもの」とされています。しかし、その目的を達成するための準備期間が足りずに不安を感じている方も多いと思われます。そんなときは、子どもたちと共に学んでいきましょう。ICTを用いた授業の冒頭で、「私はタブレット端末の使い方について、まだ知らないことがあって不安です。だから、このクラスの中で得意な人もそうでない人も一緒に学んでいきたいと思います。タブレット端末の使い方でわかったことや発見したことがあったら、どんどん友達や先生に教えてください。全員で使い方を学んでいきましょう」と、子どもたちに語ってみてはどうでしょう。このとき、何をしていいのかわからなかったり、使い方がわからなかったりする子どももいると思います。そんなときは、学習の課題に立ち返り、全員で使い方を学んでいくこ 実践例・体験談1<br>子どもの力を信じ、任せること すごくシンプルで、子どもたちが使いたいタイミングで使ってもよいということを最初に伝えました。そのため、国語ではわからない言葉があれば意味を調べたり、算数では適切な場面で電卓機能を使ったり、理科では実験動画を撮影して見直せるように活用したりしていました。こちらが使ってほしい!と伝えることもありますが、基本的には子どもが使いたいなって思ったときには、こちらの承諾を得ずに使うことを許しています。どうして一人ひとりにタブレット端末が渡されたのか、教師としてどう使ってもらいたいのかを伝えることが大切だと感じました。「時代の変化って面白いね。 僕が子どもの頃は、教室には一台しかパソコンはなく、使う時間や使い方も決まっていた。だけど今は違う。一人ひとりに渡され、その基本的な使い方は具体的に決まっていない。つまり、すごくチャンスだということ。一人ひとりがどう使うかによって、もしかしたらみんなにとって窮屈なルールが作られるかもしれません。そうなったら、『損』だよね。僕はこれを使って、みんなが可能性を広げてくれることを期待しています。 例えば、今ネットではたくさんの情報が溢れています。その中には、自分の理解を助けてくれるものもあります。そういったものを利用することができれば、授業でわからないことが減ったり、興味があることについてたくさん知ることができたりするかもしれません。どのように使っていけば自分にとって『得』か、一人ひとりが考えながら使っていけるといいね。ただし、一つだけ注意してほしいことがあります。それは、使い方を間違えると、相手を簡単に傷つけることができるということ。ちょっとしたいたずら心で、友達の悪口を書いてみたとします。一度書いたものはネット上に残ります。だからこそ、今から自分がしようとしていることを、相手がどのように受け止めるのかを踏まえ、どのように使っていけばよいか、みんなで考えながら使ってほしいと思います」と最初に語りました。タブレット端末を自由に使わせてみて、よかったところがたくさんあったと感じます。例えば、課題を解決するためのツールが増えたことです。 具体的には、自分たちの学びをプレゼン形式で伝えたり、英語のスピーチでは、自分の話したいことを英語で表現するた

本書を読み終わるころには、とどのつまり、まともなクラス経営をすれば任せても大丈夫ということがおわかりになるでしょう。中学校、高校の先生だったら部活指導を思い出してください。部活指導で起こるであろうことを恐れて、がんじがらめの管理をして成果を上げられますか? 上げられません。だから、起こるであろう問題があったら、それを自己解決できる集団をつくっているはずです。それと同じです。では、始めましょう。


はじめに 1

第1章 使い始めの困りごと 7
言葉かけ1 教師自身がタブレット端末の使い方がわからないとき 8
言葉かけ2 ルールが何も決まっていないとき、どうやって決めたらよいかわからないとき 12
言葉かけ3 関係ないことをしていたとき 16
言葉かけ4 チャットを使ってこっそり会話しているとき 20
言葉かけ5 書き込みトラブルがあったとき 24
言葉かけ6 ネットの情報が多すぎて取捨選択できないとき 28
言葉かけ7 入力やタイピングスキルの差があるとき 30
言葉かけ8 低学年では活用できないと思ったとき 34
言葉かけ9 タブレット端末が1人1台ないとき 38
言葉かけ10 学校にいろいろな機種があるとき 40
言葉かけ11 タブレット端末を大事にしないとき 44
言葉かけ12 保護者からの注文・要望があったとき 48
実践例・体験談1 子どもの力を信じ、任せること 54
実践例・体験談2 『イエナプラン』☓『学び合い』☓『GIGAスクール』 60
実践例・体験談3 子どもたちによるルールづくり 64
実践例・体験談4 ICT教育を通して感じた個別最適化 68
実践例・体験談5 GIGAスクール構想を日常化の踊り場へ 70

第2章 慣れてきたときの困りごと 75
言葉かけ13 教師がタブレット端末の効果的な活用の仕方がわからないとき 76
言葉かけ14 タブレット端末を使うことが目的になっているとき 80
言葉かけ15 子ども同士の関わりが少なくなったとき 86
言葉かけ16 ICTの使用に集中してしまうとき 90
言葉かけ17 タブレット端末ばかりに頼ってしまう子がいたとき 94
言葉かけ18 使いこなせる子どもとそうでない子どもの差が出てきたとき 98
言葉かけ19 学力の向上が見えないとき 102
言葉かけ20 法律に触れるような問題が起きたとき 106
言葉かけ21 不登校の子どもがいたとき 110
言葉かけ22 管理方法について意見が分かれたとき 114
言葉かけ23 提出された課題を教師が評価しきれないとき 118
実践例・体験談6 「始めます!」  120
実践例・体験談7 「学び」を止めない 124
実践例・体験談8 変えていくこと・変えないこと 128
実践例・体験談9 人とつながるICT活用 134

おわりに 138
目次
はじめに 1

第1章 使い始めの困りごと 7
言葉かけ1 教師自身がタブレット端末の使い方がわからないとき 8
言葉かけ2 ルールが何も決まっていないとき、どうやって決めたらよいかわからないとき 12
言葉かけ3 関係ないことをしていたとき 16
言葉かけ4 チャットを使ってこっそり会話しているとき 20
言葉かけ5 書き込みトラブルがあったとき 24
言葉かけ6 ネットの情報が多すぎて取捨選択できないとき 28
言葉かけ7 入力やタイピングスキルの差があるとき 30
言葉かけ8 低学年では活用できないと思ったとき 34
言葉かけ9 タブレット端末が1人1台ないとき 38
言葉かけ10 学校にいろいろな機種があるとき 40
言葉かけ11 タブレット端末を大事にしないとき 44
言葉かけ12 保護者からの注文・要望があったとき 48
実践例・体験談1 子どもの力を信じ、任せること 54
実践例・体験談2 『イエナプラン』☓『学び合い』☓『GIGAスクール』 60
実践例・体験談3 子どもたちによるルールづくり 64
実践例・体験談4 ICT教育を通して感じた個別最適化 68
実践例・体験談5 GIGAスクール構想を日常化の踊り場へ 70

第2章 慣れてきたときの困りごと 75
言葉かけ13 教師がタブレット端末の効果的な活用の仕方がわからないとき 76
言葉かけ14 タブレット端末を使うことが目的になっているとき 80
言葉かけ15 子ども同士の関わりが少なくなったとき 86
言葉かけ16 ICTの使用に集中してしまうとき 90
言葉かけ17 タブレット端末ばかりに頼ってしまう子がいたとき 94
言葉かけ18 使いこなせる子どもとそうでない子どもの差が出てきたとき 98
言葉かけ19 学力の向上が見えないとき 102
言葉かけ20 法律に触れるような問題が起きたとき 106
言葉かけ21 不登校の子どもがいたとき 110
言葉かけ22 管理方法について意見が分かれたとき 114
言葉かけ23 提出された課題を教師が評価しきれないとき 118
実践例・体験談6 「始めます!」  120
実践例・体験談7 「学び」を止めない 124
実践例・体験談8 変えていくこと・変えないこと 128
実践例・体験談9 人とつながるICT活用 134

おわりに 138

著者プロフィール
1959年、東京生まれ。1982年、筑波大学第二学群生物学類生物物理学専攻を卒業。1984年、筑波大学教育修士修了(教育学修士)。1985年、東京都高校教員。現在、上越教育大学教職大学院教授。2003年、博士(学校教育)(生物、地学/「巨視的時間の距離感形成に関する研究」)。
科学教育研究奨励賞(日本科学教育学会)、教育研究表彰(財団法人 教育研究連合会)、理科教育研究奨励賞(日本理科教育学会)、理科教育学会賞(日本理科教育学会)受賞。
主な著書に、『気になる子への言葉がけ入門』『クラスと学校が幸せになる 『学び合い』入門』『子どもが夢中になる課題づくり入門』『アクティブ・ラーニング入門』((明治図書)、『クラスが元気になる!『学び合い』スタートブック』『クラスがうまくいく!『学び合い』ステップアップ』『学校が元気になる!『学び合い』ジャンプアップ』『すぐわかる!できる! アクティブ・ラーニング』『人生100年時代を生き抜く子を育てる!個別最適化の教育』『教師のためのお金の増やし方がわかる本』(学陽書房)、『気になる子の指導に悩むあなたへ-学び合う特別支援教育』『理科だからできる本当の「言語活動」』『『学び合い』を成功させる教師の言葉かけ』『高校教師のためのアクティブ・ラーニング』『アクティブ・ラーニングによるキャリア教育入門』『週イチでできる! アクティブ・ラーニングの始め方』『私は『学び合い』をこれで失敗し、これで乗り越えました。』『『学び合い』で始めるカリキュラム・マネジメント』『生徒に一生涯の幸せを与える学級経営』(東洋館出版社)などがある。
http://www.iamjun.com/