小学校6年 下巻 板書で見る全単元・全時間の授業のすべて 算数 板書シリーズ
読者対象:
出版年月:
ページ数:174
「板書シリーズ 算数」の監修者である、「授業・人」塾代表
前筑波大学附属小学校副校長 田中博史先生に「板書シリーズ 算数」の特徴や活用の仕方についてお話を伺いました。
「板書シリーズ 算数」の特徴
「板書シリーズ」は読者の先生方の厚い支持をいただき累計100万部となる、教育書としてはベストセラーと言えるシリーズになりました。類似の本がたくさん世に出ていますが、この算数の「板書シリーズ」が元祖と言えると自負しています。
我々が板書の形で授業のプランをみなさんに提案しようと思ったのは、「活字や表組だけの指導案ではなかなか授業のイメージがわきにくい」ので、なんとかビジュアルの形で、明日の授業作りに皆さんたちがイメージしやすいものがお届できないかと考えたからです。この「板書シリーズ」では先生方がすぐに授業の時に机の上に開いてそのまま活用できるようにしたということ、すべての時間のアイディアをここに揃えたということが大きな特徴です。
明日の授業作りに「板書」を!
板書を使いながら明日の授業をイメージしていく具体的な見本のひとつとしてよく覚えているのが筑波大学附属小学校の先輩、故坪田耕三先生(前青山学院大学、元筑波大学附属小学校副校長)の姿です。坪田先生は翌日の授業をいつも板書の形で計画をたてていらっしゃいました。坪田先生は「板書の形で計画をたてると子供の姿が浮かんでくるんだよ」と語っていらっしゃったのを覚えています。私たちも板書の形で明日の授業をイメージする、これは毎日の授業にとても役に立つ行為だと思います。
指導案の形式で一行一行書くものに関しては、実は行と行の間に隙間があるので、子どものイメージや活動が途切れてしまっているかもしれません。それになかなか気づきにくいのですが、板書の形で授業プランを作っていくとそこが非常に具体的に浮かんでくる、それを私も当時坪田先生に教えられて、実感したことを覚えています。
「板書シリーズ 算数」の活用法
本書では、知識・技能の習得だけではなく、新学習指導要領のキーワードの一つでもある「数学的な見方・考え方」の育成についても触れています。著者の先生方にも「数学的な見方・考え方」がどのように授業の中で意識されているのかを意識して書いてもらいました。授業の中での子供の問い、めあての変化や、それに対するものの見方・考え方、さらには友達との考え方の比較なども行いやすいように板書していくことを心掛ける必要があります。
今回の「板書シリーズ 算数」は、見開きで一時間の授業プランを板書中心に構成し、 『授業の流れ』を4つまたは5つのステップで組み立てています。この『授業の流れ』を見ていただければ子供たちの疑問がどのようにつながっていくかが、わかると思います。
また、もう一つ意識しているのは、対話のイメージを先生方に伝わりやすくするということ。そのために、教師の発問、子供の疑問を吹き出しの形式で整理して入れています。ただ、画一的にならないようにすべてが同じパターンになっているわけではありません。低学年のように活動を重視しての授業の場合と、高学年のようにまとめや発展問題が必要な場合とでは授業シナリオが異なるようになっています。読者の先生方には、この授業の場面ではこのまとめはいらないなとか、この部分の練習問題は無理やり差し込むことはないなというふうに、「板書シリーズ」を発展、活用していただければと思います。
最高の執筆陣とDVDでより具体的なイメージを!
今回の算数のシリーズは、1年生は共著となっていますが、2年生から6年生までは一人の先生が執筆しているので、一貫した授業プランの質の高さを味わうことができます。
-
1年生:小松信哉先生(福島大学)、中田寿幸先生(筑波大学附属小学校)、永田美奈子先生(雙葉小学校)、森本隆史先生(筑波大学附属小学校)
-
2年生:山本良和先生(筑波大学附属小学校)
-
3年生:夏坂哲志先生(筑波大学附属小学校)
-
4年生:大野桂先生(筑波大学附属小学校)
-
5年生:盛山隆雄先生(筑波大学附属小学校)
-
6年生:尾﨑正彦先生(関西大学初等部)
さらに目玉として、各学年の執筆者の実際の授業(1時間分)がDVDとして付いています(1年の授業者は中田寿幸先生)。算数では、先ほどの『授業の流れ』の4つのステップのように、教師の発問や子どもとの対話や活動から授業が進んでいくので、授業の流れの中で板書がどのように出来上がっていくかを実際の授業と照らし合わせることができます。
紙面とDVDの映像から、どのように授業が進んでいくのかをご覧いただき、皆様の授業づくりに役立てていただければ幸いです。
1年生から6年生までの毎日の算数の授業の具体的なイメージを、この「板書シリーズ」でお届けできると思います。算数が得意ではない先生にも子供たちとともに算数好きを増やす授業が現場に広がることを願ってこのシリーズを作っています。
どうぞ明日の子どもの笑顔のために、算数の授業を楽しくしていくために役立ててください。
算数好きを増やしたいと願う教師のために
本書活用のポイント
本書の単元配列
I 第6学年の授業づくりのポイント
II 第6学年の算数 全単元・全授業の板書
10 比例と反比例 15時間
単元の目標・評価規準・指導計画
単元の基礎・基本と見方・考え方
第1時 変わると何が変わる
第2時 変わり方を詳しく調べよう
第3時 コピー用紙の枚数を調べる
第4時 ともなって変わる2つの量を式で表そう
第5時 ともなって変わる2つの量をグラフで表そう
第6時 比例の関係をグラフに表そう
第7時 比例のグラフを読み取ろう
第8時 2量の関係をグラフに表そう
第9時 比例を使ってみよう
第10時 三角形の面積の変わる様子を表そう
第11時 長方形の面積の縦と横の長さの関係を調べる
第12時 反比例の関係を式で表そう
第13時 反比例の関係をグラフで表そう
第14時 反比例のグラフの特徴を見つけよう
第15時 反比例を使って考えよう
資 料 第1時・第7時の図
11 場合の数 5時間
単元の目標・評価規準・指導計画
単元の基礎・基本と見方・考え方
第1時 リレーの順番を考えよう
第2時 旗の色のならび方を考えよう
第3時 3けたの数は何通りできるかな
第4時 全部で試合は何試合
第5時 選んでできる金額はいくらかな
12 資料の整理 10時間
単元の目標・評価規準・指導計画
単元の基礎・基本と見方・考え方
第1時 じゃがいも取りゲーム
第2時 特ちょうを図に表そう1
第3時 特ちょうを図に表そう2
第4時 特ちょうを図に表そう3
第5時 8の字とびは, 1組と2組どちらが勝つか予想しよう1
第6時 8の字とびは, 1組と2組どちらが勝つか予想しよう2
第7時 8の字とびは, 1組と2組どちらが勝つか予想しよう3
第8時 資料の特ちょうを整理しよう
第9時 自分の考えをまとめよう
第10時 人口ピラミッドを比べてみよう
13 6年のまとめ 25時間
単元の目標・評価規準・指導計画
この単元で取り組ませたいこと
第1時 九九表の中の数の合計を求めよう1
第2時 九九表の中の数の合計を求めよう2
第3時 九九表の中の数の合計を求めよう3
第4時 一の位の数は何になるかな
第5時 運試しをしよう
第6時 分数神経衰弱をしよう
第7時 1 haをこえないのは
第8時 最大の正三角形を折ろう
第9時 正八角形を作ろう
第10時 周りの長さは何cm かな
第11時 向かい合う角の和は180°
第12時 三日月2つ分の面積を求めよう
第13時 円の面積を求めましょう
第14時 3倍の面積をつくろう
第15時 正十二角形の1/4の面積
第16時 正方形をつなげた形をつくろう
第17時 何cm になるのかな
第18時 電話線は何本
第19時 2ひきはどこで出会うかな
第20時 なぜ,おかしいと言われたのかな
第21時 平均はいくつ
第22時 コインゲームをしよう
第23時 かくしたオセロは白・黒どっち? 1
第24時 かくしたオセロは白・黒どっち? 2
第25時 分け方は何通りあるのかな
14 数学へのかけ橋 13時間
単元の目標・評価規準・指導計画
この単元で取り組ませたいこと
第1時 長方形が1種類しかできない数
第2時 2 cm^2の正方形の1辺の長さは
第3時 すごろく遊びをしよう
第4時 かんづめと箱の重さを求めよう
第5時 2つの点を通る円をかこう
第6時 ピザを等分しよう
第7時 星型正12/5角形
第8時 当たりは何個
第9時 紙コップを作ろう
第10時 長方形の紙を使って
第11時 どんな立体ができるかな
第12時 どうして正方形ができるのかな
第13時 いくらで売るといいのかな