授業のユニバーサルデザイン入門
読者対象:
出版年月:
ページ数:160
特別支援教育と通常学級をつなげ、クラス全員が楽しくわかる・できる授業をつくる取り組み「授業のユニバーサルデザイン」が、全国的に注目され、様々な実践が行われています。本書では、「ユニバーサルデザイン」という考え方の原点に立ち返り、その理念や考え方、手法、具体的な手立ての例などをわかりやすく紹介するとともに、具体的な授業場面に盛り込まれた授業のユニバーサルデザインの視点を解説。また第3章の対談では、授業の改善を通して授業をユニバーサルデザイン化していく過程を中心に、骨子である「子どもの実態によりそう」ための手立て迫っています。本書全体を通じて、まさに授業のユニバーサルデザインを実践するための出発点となる内容となっています。
「授業のユニバーサルデザインって、そもそも何?」
「授業のユニバーサルデザインに取り組みたいけれど、どんなことをすればいいの?」
「学校の取り組みで始めたけれど、もっと考え方を知りたい」
など、授業のユニバーサルデザインに関わる、すべての先生方に読んでほしい1冊です。
はじめに
第1章 基調提案 授業のユニバーサルデザインとは?(小貫 悟)
なぜ授業をユニバーサルデザイン化するのか
バリアフリーとユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインはブームではない
「ユニバーサルデザイン化された授業」は存在しない?
個別的配慮や担任の指導だけでなく
子どもを包み込む学級・学校・地域の安定がカギ
学力テストの結果がよい秋田県では
学級環境をユニバーサルデザイン化する
場の構造化
工場に学ぶ
それは本当に当たり前なのか〜「刺激量の調整」の事例から〜
ルールを守る体験を積み重ねるために
暗黙のルールをなくしたことで学校が劇的に変化
従来の反省文にはない視点をもった「振り返り用紙」
覚えておきたい「三項随伴性」
先行操作と後続操作を使って
誰もが「わからない」と言える教室をつくる
指導方法をユニバーサルデザイン化する
指導方法の四つのキーワード
時間の構造化とは
聴覚だけに頼らない情報伝達を
誰もが授業に参加できるように
失敗が起こりやすい空白の時間をなくす
授業をユニバーサルデザイン化する一四の視点
授業に参加するだけでなく、理解できるようにしたい
一四の視点
授業をユニバーサルデザイン化するためにこれだけは覚えておこう
つまずきを徹底的に想定する
抽出児は”理解が遅い子”ではない
「聞くだけの時間」を減らすキーワード「焦点化」「視覚化」「共有化」
「焦点化」=「授業の山場はどこか」
三段構えの授業のユニバーサルデザイン
第2章 授業ライブ 国語授業のユニバーサルデザイン(桂 聖)
第2章の概要
写真をきっかけに、関心をもって教材文を読む
まずは、ウォーミングアップでルールを明確化
いきなり文章を読むのではなく、写真で興味をひく
全員で音読
声の張りやテンポなどに注意しながら
写真と段落との正しい対応を考えて、話し合う
写真と段落の関係を理解するために
「問い」と「答え」の関係を確認する
「問い」に対する「答え」を動作化する
事例とまとめの関係について話し合う
まとめの文の選択肢を提示する
比喩表現を理解する
話し合ったことを視覚的に整理する
ノートに自分の考えを書く
ペアの相手に説明する
第3章 対談 教科教育と特別支援教育をつなげる(桂 聖×小貫 悟)
授業のユニバーサルデザインに必要なこと
特別支援教育の手法を取り入れるだけが授業のユニバーサルデザインではない
授業展開は山場から逆算する
「わからないのは子どもが悪い」と考えては進歩がない
個別の配慮の原則は恥をかかせないこと
子どもが「わからない」と言える雰囲気をつくる
いい授業とは、大人でも楽しめる授業
授業のユニバーサルデザイン化の過程〜「見立てる」の授業から〜
まずは授業の山場を決め、つまずきを想定する
うまくいかなかった授業展開
改良した授業展開〜具体から抽象につなげる〜
内容理解は、授業のねらいと授業時間で調整
導入では、子どもたちの状態をそろえて「錨いかりをかける」
「論理」を教える授業をつくる
「習得」「活用」するために「論理」を教える
特別支援教育でも「論理」は重要
「はじめ」「中」「終わり」は、論理の要
授業のユニバーサルデザインのこれから
中学校での授業のユニバーサルデザイン
学年間・教科間のスパイラルをつくる
実生活や社会に生きる力を身につける
おわりに