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学級経営は「問い」が9割

澤井 陽介/著


読者対象:小学校教員

出版年月:

ページ数:216

近年、大人や子供を取り巻く社会環境の変化を受けて、「一人一人の子供」という「個」に対する目配り・気配りといった社会的要請が強くなりました。その結果、(良い面もある一方で)「子供たち」というくくりでの「集団」に対する教育力が、以前よりも相対的に弱まっているように感じられます。

「個」への対応ばかりにとらわれていると、「教師は常に子供についていかざるを得ない」状況が生まれます。しかし、それでは、どれだけ緻密に、どれだけ細心の注意を払っても、教師と子供との間に横たわる隙間を埋めることはできません。

実は、考え方が逆なのです。「教師が子供についていく」のではなく、「子供が教師についていく」ようにしていかなければならないのです。これが、まさに集団づくりです。
学級づくりは「集団づくり」です。よりよい「集団」が、「個」の学びを深め、輝かせるのです。そんな学級づくりを実現する指導の核となるのが「問い」です。

これからの時代によりいっそう求められるのは、ファシリテーターとしての教師です。子供たちの学びを触発し、仲間と共に深めさせ、よりよい集団を通して、その子自身が輝くような指導です。まさに、子ども自らが生きる力を湧き出させるエンパワメント(Empowerment)の指導と言ってよいでしょう

そこで、本書では、子供の思考をアクティブにする問いの指導とは何かを明らかにすることを通じて、多様な子供たちがそれぞれに、学級の中に自分の持ち場をもち、仲間と共に自らの課題を解決していける学級づくりの本質と手法を明らかにします。

【注】エンパワメント(Empowerment)とは、「個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること」を言う(wikipedia)。


第1章 学級づくりは集団づくり、よりよい集団が個を輝かせる─教師と子供の関係づくりの基本姿勢

能力は向上させるもの、資質は信じて表出させるもの
指導がむずかしいと言われる子供たち
よりよい集団が個を輝かせる
教師の言葉が子供に届くということ
信頼よりも好奇心
子供の教師理解
教師自身の子供時代の記憶は最高の教材
子供は教師の本心に触れたがっている
書かせるということは考えさせること
「この学級の中に悲しい思いをしている子がいると思う?」
教師を演じる

第2章 子どもの思考をアクティブにする「問い」の指導─学級経営の姿勢

教師の手の内は明かしたほうが子供は迷わない
外の世界への憧れや羨望が子供の心に火をつける
とにかく子供には「すごい! 」と言わせたい
作戦会議で一緒に悩む
判断基準としてのダメライン
教師のイメージを軸として、子供たちのニーズの輪をつくる
子供に下駄を預ける
許される範囲を体得しているから、子供たちに任せることができる
思いやりの耳と思いやりの目
褒めるターゲットは部分、叱るターゲットは全体

第3章 授業は教材4割、学級経営6割─集団の学力を高める学級づくり

集団としての資質・能力の面積を広げる
教師と子供の双方が目標イメージを共有する
子供の本気はルールを踏み越える
専門分野という持ち場をもたせる
デコボコがあるから、子供の資質・能力の面積が大きくなる
問いは持ち帰らせる
相手意識が子供の思考をアクティブにする
関心が低いものを高めていくのが授業
声に抑揚をつける、穏やかな声ほど子供は集中する
掲示は子供の学びを広げる最高の思考ツール

第4章 (1分の1)×40が、教師を変える─子供の心に届く指導

(1分の1)×40
子供は「さよなら」の後に情報をもってくる
子供が自分の中にあるものをはき出すルートをつくっておく
沈黙や表情で意図を伝える
学習評価は、教師が先読みしたイメージが大切
いじめにつながる予兆は瞬間的にわかる
「何でもお見通しの目」
女子会
女子会の副次的効果
子供になったつもりで、彼らの椅子に座ってみる

終章 教育は、理屈だけでは語れない

はじまりの日
心の氷を溶かす
初動を間違えなければ、子供の信頼を取り戻せる
保護者にはミニ教師になってもらおう
目次
第1章 学級づくりは集団づくり、よりよい集団が個を輝かせる─教師と子供の関係づくりの基本姿勢

能力は向上させるもの、資質は信じて表出させるもの
指導がむずかしいと言われる子供たち
よりよい集団が個を輝かせる
教師の言葉が子供に届くということ
信頼よりも好奇心
子供の教師理解
教師自身の子供時代の記憶は最高の教材
子供は教師の本心に触れたがっている
書かせるということは考えさせること
「この学級の中に悲しい思いをしている子がいると思う?」
教師を演じる

第2章 子どもの思考をアクティブにする「問い」の指導─学級経営の姿勢

教師の手の内は明かしたほうが子供は迷わない
外の世界への憧れや羨望が子供の心に火をつける
とにかく子供には「すごい! 」と言わせたい
作戦会議で一緒に悩む
判断基準としてのダメライン
教師のイメージを軸として、子供たちのニーズの輪をつくる
子供に下駄を預ける
許される範囲を体得しているから、子供たちに任せることができる
思いやりの耳と思いやりの目
褒めるターゲットは部分、叱るターゲットは全体

第3章 授業は教材4割、学級経営6割─集団の学力を高める学級づくり

集団としての資質・能力の面積を広げる
教師と子供の双方が目標イメージを共有する
子供の本気はルールを踏み越える
専門分野という持ち場をもたせる
デコボコがあるから、子供の資質・能力の面積が大きくなる
問いは持ち帰らせる
相手意識が子供の思考をアクティブにする
関心が低いものを高めていくのが授業
声に抑揚をつける、穏やかな声ほど子供は集中する
掲示は子供の学びを広げる最高の思考ツール

第4章 (1分の1)×40が、教師を変える─子供の心に届く指導

(1分の1)×40
子供は「さよなら」の後に情報をもってくる
子供が自分の中にあるものをはき出すルートをつくっておく
沈黙や表情で意図を伝える
学習評価は、教師が先読みしたイメージが大切
いじめにつながる予兆は瞬間的にわかる
「何でもお見通しの目」
女子会
女子会の副次的効果
子供になったつもりで、彼らの椅子に座ってみる

終章 教育は、理屈だけでは語れない

はじまりの日
心の氷を溶かす
初動を間違えなければ、子供の信頼を取り戻せる
保護者にはミニ教師になってもらおう
著者プロフィール
澤井陽介
国士舘大学教授
《経歴》昭和35年・東京生まれ。社会人のスタートは民間企業。その後、昭和59年から東京都で小学校教諭、平成12年から都立多摩教育研究所、八王子市教育委員会で指導主事、町田市教育委員会で統括指導主事、教育政策担当副参事、文部科学省教科調査官、文部科学省視学官を経て、平成30年4月より現職。
《主な編著》単著『教師の学び方』『授業の見方』東洋館出版社、平成29年7月/『学級経営は「問い」が9割』東洋館出版社、平成28年3月/『澤井陽介の社会科の授業デザイン』東洋館出版社、平成27年3月/編著『子供の思考をアクティブにする社会科の授業展開』東洋館出版社、平成28年3月、ほか多数。
[2020年7月現在]