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ChatGPTと共に育む学びと心 ?AI時代に求められる教師の資質・能力?

鈴木 秀樹・安藤 昇・安井 政樹/著


読者対象:中学校教員・ 小学校教員・高等学校教員

出版年月:

ページ数:184

生成AI活用は教師にとっての「挑戦」である!
「授業5.0」未来の授業を見て、あなたは何を思いますか?

本書の概要

ChatGPTに代表される生成AIは、日本の学校教育をどのように変えるのか。子どもの学びを超個別最適化する生成AIを教師はどう活用すべきか。本書では、ChatGPT活用の基本である、「プロンプト」の作成から、個々の子どもに応じた所見の下書き文の作り方などを紹介します。さらに、小学校での授業における活用のポイント、ChatGPTを活用した不登校支援やいじめ防止策、ChatGPTと道徳教育との関係など、幅広い視点でAIとの学びを考えていきます。

本書からわかること

・ChatGPT活用はじめの一歩

ChatGPTは、与えられたプロンプト(指示文)から、文書を生成することができます。例えば、「あなたは環境問題の専門家として、中学生向けに環境問題の概要を400文字程度でわかりやすくまとめてください。」というプロンプトを与えると、ChatGPTは環境問題に関する400字程度の文章を生成します。この機能は、レポート作成や文章要約など、様々な場面で活用できます。

・プロンプト(ChatGPTへの指示文)の6つの基本

ChatGPTとの効果的なコミュニケーションを実現するための、基本的なプロンプトの書き方があります。

1.AIの役割と目標を決める
例えば、プロンプト内で「小学校の理科教師」と特定し、その役割を明確にすることは、AIが提供する情報の質を高め、目的に沿った回答を導き出す上で非常に重要です。

2.視点と対象の特定
目標に対しての誰の視点で何を伝えたいのかを明確にすることです。視点を特定することで、言語モデルは使用する言葉や文体を適切に選択し、目的に合った回答を提供します。

3.構造化の重要性
プロンプトが複雑になるほど、その構造を明確にすることが重要です。区切り記号を利用することで、プロンプトを複数のセクションに分け、それぞれのセクションに具体的な指示を記述します。

4.回答例の提示
回答のスタイルや内容を明確にするために、具体的な回答例を提示することが効果的です。これにより、モデルは指示に沿った回答を生成しやすくなります。

5.思考過程の導入
特に複雑な問題や解答を要求する場合、思考過程(Chain of Thought)をプロンプトに含めることで、回答の質を向上させることができます。

6 AIに質問を促す
プロンプトにおいて、「必要な情報があれば質問してください」というフレーズを含めることで、モデルがより多くの情報を求めることができます。

・生成AIを授業で活用するポイント

1.検索エンジンではない
生成AIで検索するような使い方を推奨するのは避けるべきです。「検索」ではなく「創造」でそれを行う方がいいでしょう。

2.生成物を批判的に吟味する
「どんなプロンプトで生成されたのか」を考えるプロセスを取り入れることで、より生成AIが出してきたものを批判的に見られるようにして子どもの思考を活性化させます。

3.子どもの意見を分析して即座に返す
子どもからの回答をダウンロード。→子どもの名前、アカウント等個人情報を削除。→AIに読み込ませて分析させる。→AIが出してきた回答を子どもに紹介。→AIが出してきた回答の妥当性を更に子どもに考えさせるといった学びに活用できます。

・生成AIを授業以外で活用する

ChatGPTの登場により、私たちは教育の目的や子供たちに何を育てるべきかを改めて考える機会を得ました。生成AIを各教科等でうまく活用し、空いた時間でさらに調べたいこと、学びたいこと、発信したいこと、探究したいことに時間を使うことが可能になります。一方授業以外でも、「AIに安心して相談できる環境を整える」「不登校の子どもをChatGPTで支援する」「いじめ調査や心の健康の指導に活用する」とったことも考えられます。

生成AIについて考えるときには、道徳と切り離すことはできないでしょう。生成AIを自分の生き方と関連付けて考えていくことも大切な視点です。子どもの心をどう育むか、そのための教師の教育観や哲学はどうあるべきかも本書を通して学ぶことができます。

こんな先生におすすめ

  • ChatGPTの最新の情報およびその基本の使い方を知りたい先生
  • ChatGPTを授業にどのように活用するかを知りたい先生
  • ChatGPTについて、ちょっと不安だけどその魅力も知りたい先生
  • ChatGPTを切り口に教育の未来を知りたい先生
目次
ChatGPTと共に育む学びと心

目次 Contents

Prologue 授業5.0 デジタル・テクノロジー時代の学び
 2030年の授業風景 002
 AI時代の授業のそれぞれの役割 012
 子どもの学びの姿(超個別最適化) 014
 デジタル・シチズンシップの個別最適化の可能性 016
 
本書に込めた思い 018

第1章 ChatGPTが教育にもたらすインパクト
 ChatGPTとは何か 026
 ChatGPTの基本的な使い方 029
 ChatGPT活用はじめの一歩 034
 ChatGPTのいろいろなプロンプト例 041
 API利用による所見の下書き作成(ChatGPT関数) 061
 ChatGPTはこう考える!これからの先生の役割とは? 063

Column1 ChatGPT4、休暇シーズンにサボる!? 066

第2章 ChatGPTと創る
 生成AIをめぐるパラドックス 070
 生成AIの仕組みを教える? 076
 生成AI体験:お礼の手紙を書かせる 082
 生成AI体験:プロンプトを推理する 088
 生成AI体験:より思考を深める発問のために 094
 生成AIの隠されたカリキュラム 100
 授業で使うポイントを考える 106

Column2 生成AIの精度向上に報酬とペナルティの効果 112

第3章 ChatGPTと生きる
 〜子どもの「心」と教師の「哲学」が土台となる〜
 生成AIへの懸念は当然のこと 116
 恋は盲目 118
 道具の光と影 120
 学生のレポートにおける生成AI依存の現状 124
 万が一の責任は誰がとるのか 128
 生成AIで苦しんでしまっては意味がない 130
 生成AIで心に寄り添う 132
 ChatGPTの副作用 135
 ChatGPTは多様な子どもたちの幸せのために 138
 不登校の子どもをChatGPTで支援する 140
 ChatGPTはいじめ調査や心の健康に指導に有効 142
 ChatGPT時代と道徳教育 144
 生成AIとプロポーズ 146
 生成AIは教師の教育哲学を問い直す鏡 149

Column3 AIによる画像生成技術の進歩と可能性 152

Epilogue ChatGPTと共に育む学びと心
 〜Symposium:時代を読む力〜
 生成AIはどこへ向かうのか 156
 AI時代の教師の役割 165

付録 次世代の生成AI GPT-4o 172

あとがき 182
著者紹介 186


著者プロフィール
鈴木秀樹
東京学芸大学附属小金井小学校教諭
慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻修士課程修了。私立小勤務を経て2016年より現職。ICTを活用したインクルーシブ教育の実現、学習者用デジタル教科書、生成AIを活用した授業づくり等が主要な研究テーマ。2023年3月にAIチャットを搭載したBing(現Copilot)を活用した公開授業を行ったところから、生成AIを活用した授業の開発に取り組むようになった。しかし、実は大学院時代が第二次人工知能ブームの真っ只中で、工学者と哲学者・認知心理学者の討論などを読み漁っていた経験が今に活きている。単著に『ICT×インクルーシブ教育 誰一人取り残さない学びへの挑戦』、編著書に『Face to Faceの教育から、学びのSide by sideへ Microsoft 365 Educationを活用した小学校の学級づくり・授業づくり』、共著に『ICT主任になったら読む本 実務がうまくいく心構え&仕事術35』等(いずれも明治図書出版)。慶應義塾大学非常勤講師、東京学芸大学ICTセンター所員も務めている。

安藤昇
青山学院大学・青山学院中等部非常勤講師
スタディサプリ情報講師
1968年栃木県生まれ、日本大学理工学部物理学科卒業。生成AIを活用した教育分野の第一人者であり、GIGAスクール構想の導入におけるエキスパートとして、多くの学校をアドバイザーとして指導。2023年からはスタディサプリの講師として、2025年大学入学共通テスト必履修科目『情報』の講座を担当。映像授業のクリエイターとしても活動しており、自身が運営するYouTubeチャンネル「GIGAch」は登録者数2万6千人を超える。さらに、Huluで配信中の「めざせ!プログラミングスター〜プロスタ★キッズ大集合?」にも、プログラミング講師として出演しており、郡司恭子、若旦那、イコールラブ、ノットイコールミー等と共演している。そのほか、工学院大学ICTアドバイザー、Microsoft Innovative Educator Fellow 2023-24、Canva認定教育アンバサダー 2024、micro:bit champion 2024を務めている。

安井政樹
札幌国際大学基盤教育部准教授
北海道教育大学教職大学院修了。北海道・札幌市の公立小学校教諭を経て、2022年4月より現職。専門は、道徳教育、ICT活用、インクルーシブ教育などで、学校教育全般をフィールドに現場とともに研究を進めている。2023年3月より「生成AIとどのように共存していくか」や「自分の学びに生成AIをどう生かすか」について考える出前授業や教員研修、講演会などを全国各地で行っている。単著に『特別の教科 道徳 指導と評価支援システム』(東洋館出版社)、共著に『事前指導から授業例まで GIGAスクールの1人1台端末活用アイデア100』『道徳授業の個別最適な学びと協働的な学び ICTを活用したこれからの授業づくり』(明治図書出版)などがある。文部科学省学校DX戦略アドバイザー、NHK for school番組委員(道徳番組や特別支援番組等)、道徳教科書編集委員、Microsoft Innovative Educator Expert (MIEE)の他、多くの学校の校内研究アドバイザーなどを務めている。