これからの特別支援教育はどうあるべきか
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出版年月:
ページ数:160
教科教育の現在と未来を考える羅針盤シリーズ、ついに刊行!
本書の概要
令和3年の中央教育審議会答申において、「個別最適な学び」と「協働的な学び」が提起され、これまで以上に「個に応じた指導」「探究学習」「ICTの活用」等を推進することが目指されている。本書では次期学習指導要領を見据え、これまでの特別支援教育の課題を整理するとともに、児童生徒への指導・支援の充実、ひいてはインクルーシブ教育の実現に向けた新時代の特別支援教育の在り方を提言する。
本書からわかること
今こそ特別支援教育を見直すとき
今日、特別支援教育は様々な課題に直面しています。 その今日的な諸課題を整理し、それぞれの「これから」を提言するのが本書のねらいです。
一人一人の児童生徒への指導・支援の具体から、共生社会の実現を目指した制度や社会構築の在り方まで、21名の研究者・実践家が論じます。
未来志向のビジョンを示す
本書の第1章では、2017年に全日本特別支援教育研究連盟(全特連)が採択した「全特連ビジョン」を基に今後の特別支援教育が目指すべきものを提示します。
すなわち、「特別支援教育の推進」「関係機関との連携」「キャリア発達の支援」「専門性の高い教職員の育成」「安全・安心な社会の実現」「実践研究の一層の充実」の6点です。
インクルーシブ教育システムの充実
第2章では、インクルーシブ教育システムの充実に向けた方策を提言します。 すなわち、「連続した多様な学びの場の充実」「乳幼児期から卒業後までの支援」「社会参画への支援の在り方」等についてです。
在学中はもとより、就学前や卒業後も含めて、生涯を通じた支援はいかにあるべきかについて大局的に論説します。
児童生徒への指導・支援の充実
第3章では、児童生徒への指導・支援の充実に向けた方策を提案します。 すなわち、「通常の学級における支援」「各教科や領域の具体を含めた教育課程の充実」「多様なニーズへの対応」等についてです。
授業づくりや学級づくり、学校運営において今後求められるものを現場目線で論述しています。
連携と協働
最後の第4章は、卒業後を見据えた「特別支援教育の生涯学習化」についてです。 卒業後のキャリア発達支援を視野に入れ、関係機関のみならず、社会全体との連携・協働を提言しています。
交流の場づくりから始まって、当事者主体の活動へと発展させていくための四つのステップを紹介します。
特別支援教育を広げる・深める
今後の特別支援教育は、小学校段階から高等学校段階までの時期におけるものだけではありません。就学前、そして卒業後へと時間軸を広げて考えていく必要があります。
また、特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室だけにとどまるものでもありません。通常の学級や就労先等、指導・支援の場についても視野を広げていかなければなりません。
そして何より、先生方が一人一人の子供たちへの理解を深め、子供たちが多様な経験から学びを深めていくことが求められます。 本書が、今後の特別支援教育の方向性を考える一助になれば幸いです。
こんな先生におすすめ
特別支援教育に力を入れている先生
特別支援教育を究めたい先生