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心理的安全性と学級経営

大前 暁政/著


読者対象:小学校教員・中学校教員

出版年月:

ページ数:224

教室に安心感を取り戻す!「心理的安全性」を高める学級経営を提案

本書の概要

「心理的安全性(Psychological Safety)」とは、集団の中で、対人的な恐れがなく、安心して発言・行動できる心理的な状態を指します。Googleが「生産性の高いチームは心理的安全性が高い」との研究結果を発表し話題になりました。本書では、この心理的安全性と学級経営の関係を読み解いていきます。教室で心理的安全性を高めるにはどうすればよいのか、教師のリーダーシップはどうあるべきかをエピソードを交え紹介しています。

本書からわかること

心理的安全性をどのように生み出すのかがわかる

リーダーの考え方・行動
個々の考え方・行動
集団の雰囲気

心理的安全性を生み出せるかどうかは、この3つが要因となっています。この3つの要因は、どれも重要であり、互いに関わり合っている、複合的に絡み合っていることです。
特に「リーダーの考え方・行動」はとても大きなものですが、リーダー1人の力ではどうしても限界があります。そこでポイントとなるのは次のことです。
POINT:個々の考え方・行動を変化させ、メンバー自らが集団の雰囲気を変えるように促す方向の取組も必要である。
つまり、個々の子供が、自分から心理的安全性を高める雰囲気をつくるよう、リーダーが促していく必要があるのです。

リーダーとしての教師の役割を理解できる

心理的安全性の確保で重要な要素の1つが、リーダーの考え方や行動です。学級のリーダーは、教師です。大切なのは、リーダーの考え方や行動によって心理的安全性を生み出せるという点です。そのため、心理的安全性を確保するために以下の2つのリーダーシップの考え方は不可欠です。

サーバント・リーダーシップ
セキュアベース・リーダーシップ

また、様々な状況に対応するため、「コーチング主体のリーダーシップ」「PM型のリーダーシップ」「ハンブル・リーダーシップ」なども活用していきましょう。

心理的安全性を高め、学級経営を充実させることができる

心理的安全性の確保は、学級経営のゴールを達成する「前提条件」です。学級経営のゴールは、互いが切磋琢磨して成長している状態をつくることです。「集団が成長し、個々も成長している状態」をつくることが学級経営のゴールなのです。そのため、自分のクラスがどのような状況になっているか、しっかり見極める必要があります。

■学級経営の4つの状態
「心理的安全性高い・高い目標がある」 → 理想状態
「心理的安全性高い・高い目標がない」 → ぬるま湯で成長のない状態
「心理的安全性低い・高い目標がある」 → 不安が高じて挑戦を続けられない状態
「心理的安全性低い・高い目標がない」 → 無気力、学級崩壊の状態

つまり、高い目標への挑戦と心理的安全性の確保がセットでなければならないのです。高い目標に挑戦するという緊張感や不安の中で、心理的安全性の確保が必要なのです。

ほかにも本書を通してわかること

本書では、教室の心理的安全性を高める方法を数多く紹介しています。「教師や仲間とのリレーションシップの高め方」「よさに注目するための工夫」「心理的安全性を確保するための集団づくりのアイデア」「ハイパフォーマンスを発揮させるための目標の共有方法」など、心理的安全性と学級経営の関係を学びたい人、必読の内容になっています。

目次
CHAPTER 1 心理的安全性とは何か?

 ある事例 12
 心理的安全性とは 16
 心理的安全性がないとなぜパフォーマンスが落ちるのか 24
 心理的安全性の確保の仕方 32
 心理的安全性のよくある勘違いを避ける 38
 CHAPTER1のまとめ 44

CHAPTER 2 心理的安全性を確保する土壌づくり

 対人不安を軽減する 48
 物理的な安全性の確保 54
 教師とのリレーションシップを高める 60
 仲間とのリレーションシップを高める 66
 「よさ」に注目する関係性をつくる 72
 個性を歓迎する関係性をつくる 80
 CHAPTER2のまとめ 86

CHAPTER 3 心理的安全性を確保するための集団づくり・雰囲気づくり

 集団が共有する雰囲気をよりよいものにする 90
 肯定的で前向きなフィードバックが返ってくる状態をつくる 96
 リーダーシップを発揮する場を分散する 102
 助けを求めるのが当たり前の雰囲気をつくる 108
 トライアルアンドエラーが当たり前の雰囲気をつくる 114
 心理的安全性を高めるための行動規範を浸透させる 120
 チームと個のゴールを確認させる 128
 CHAPTER3のまとめ 134
 
CHAPTER 4 ハイパフォーマンスを発揮できる学級経営
 
 ハイパフォーマンスが発揮できる条件 138
 互いの自己評価を高め合う状態をつくる 144
 互いの目標を高め合う状態をつくる 154
 ハイパフォーマンスを発揮させるための高い目標の共有 160
 CHAPTER4のまとめ 166

CHAPTER 5 心理的安全性を確保する教師の姿勢

 リーダーとしての教師の役割 170
 意識してほしいリーダーシップ 176
 リーダーシップを使い分ける 184
 エンパワーメント 192
 リーダー自身の意識改革 198
 小さな声に耳を傾ける 203
 CHAPTER5のまとめ 210

おわりに 212
引用・参考文献一覧 216
著者プロフィール
大前 暁政
京都文教大学准教授

岡山大学大学院教育学研究科(理科教育)修了後、公立小学校教諭を経て、2013年4月より京都文教大学に着任。教員養成課程において、教育方法論や理科、教職実践演習などの教職科目を担当。「どの子も可能性をもっており、可能性を引き出し伸ばすことが教師の仕事」ととらえ、学校現場と連携し新しい教育を生み出す研究を進めている。文部科学省委託体力アッププロジェクト委員、教育委員会要請の理科教育課程編成委員などを歴任。理科の授業研究が認められ「ソニー子ども科学教育プログラム」や「日本初等理科教育研究会優秀論文賞」に入賞。研究分野は、理科教育、教育方法、学級経営、生徒指導、特別支援教育、科学教材、教授法開発、教師教育など多岐に及ぶ。

主な著書
・『できる教師の「対応力」−逆算思考で子どもが変わる−』(東洋館出版社)
・『教師1年目の学級経営』(東洋館出版社)
・『 まちがいだらけの学級経営 失敗を成長に導く40のアプローチ』(明治図書出版)
・『学級担任が進める通常学級の特別支援教育』(黎明書房)
・『 本当は大切だけど、誰も教えてくれない 学級経営 42のこと』(明治図書出版)
・『実践アクティブ・ラーニングまるわかり講座』(小学館)
・『なぜクラス中がどんどん理科を得意になるのか』(教育出版)
・『学級経営に活かす 教師のリーダーシップ入門』(金子書房)
・『子どもを自立へ導く学級経営ピラミッド』(明治図書出版) など多数